イベント[追想公演] のバックアップ(No.5)
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- 1 (2020-12-13 (日) 10:44:19)
- 2 (2020-12-13 (日) 18:10:42)
- 3 (2020-12-13 (日) 21:03:52)
- 4 (2020-12-14 (月) 00:25:53)
- 5 (2020-12-14 (月) 20:28:39)
- 6 (2020-12-14 (月) 22:21:32)
- 7 (2020-12-15 (火) 01:10:51)
- 8 (2020-12-15 (火) 22:29:00)
- 9 (2020-12-15 (火) 23:51:12)
- 10 (2020-12-16 (水) 23:04:21)
- 11 (2020-12-17 (木) 00:54:20)
- 12 (2020-12-17 (木) 22:13:43)
- 13 (2020-12-18 (金) 00:22:13)
- 14 (2020-12-18 (金) 21:26:27)
- 15 (2020-12-18 (金) 22:47:15)
- 16 (2020-12-20 (日) 19:39:41)
- 17 (2020-12-21 (月) 00:25:56)
- 18 (2020-12-21 (月) 01:37:25)
- 19 (2020-12-21 (月) 23:35:02)
- 20 (2020-12-22 (火) 02:27:58)
- 21 (2020-12-23 (水) 02:20:35)
- 22 (2020-12-24 (木) 02:25:31)
- 23 (2020-12-25 (金) 01:49:24)
- 24 (2020-12-26 (土) 09:47:02)
- 25 (2020-12-26 (土) 13:02:48)
- 26 (2020-12-26 (土) 17:31:36)
- 27 (2020-12-26 (土) 18:32:08)
- 28 (2020-12-26 (土) 21:00:55)
- 29 (2020-12-26 (土) 22:11:08)
- 30 (2020-12-27 (日) 19:41:12)
- 31 (2020-12-27 (日) 20:53:54)
- 32 (2020-12-27 (日) 22:44:30)
- 33 (2020-12-28 (月) 00:04:48)
ここでは、[LIVEツアーカーニバル:追想公演 Missing Link Memories]についての加奈ちゃんさんをまとめています。
イベント情報
開催期間
2020/12/10 ~ 2020/12/18
登場アイドル一覧
[お花見]水木聖來
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[ディアンドルガール]北川真尋
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[美しき挑発]兵藤レナ
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[ギフト・レミニセンス]二宮飛鳥
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オープニング
人とは、想いを託す存在です。
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時には言葉に優しさを。
時には贈り物に慈悲を。 そして、時には記憶に愛憎を。 |
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人は今日も、誰かから託された想いを胸に──
このセカイで生きています。 |
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ミナミ
待ちなさい! ユウキ・オトクラ! |
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ユウキ
ま、待ちません……っ! |
|
ユウキ
はぁっ……はぁっ……! ……まだ、私の走りについてきてる……っ! しかも、息切れもしてないなんてっ! |
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ミナミ
貴方は違反者です。 死人(しびと)の記憶を、想いを生者に届けに行くなんて……。 |
|
ミナミ
明らかに、私たちの組織『記憶統制機関』── メモリーズシステムの掟と相反します! |
|
ミナミ
今すぐ止まりなさい! |
|
ユウキ
お断りします……っ! だって、私たちには…… 届けたい想いがあるからっ! |
|
ミナミ
くっ……ちょこまかと鬱陶しい……! 一気に片づけてしまいましょう。 |
|
ミナミ
ザシュッ |
|
ユウキ
わわっ!? |
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ユウキ
(剣を抜いた……っ! どうしよう……これじゃあ時間稼ぎにも限界がありますよ……っ!) |
|
ユウキ
(アスカさん……上手くやってくれてるといいけど……っ) |
|
ピピピピピ
|
|
???
『おい! ミナミ! 聞こえるか?』 |
|
ミナミ
はい。何でしょう、ナツキさん。 現在、対象者を追跡中です。 用件は手短に…… |
|
ナツキ
『そいつはただの囮だ! 『箱』を持った対象者は…… アスカは、別の場所にいるッ!』 |
|
女性
このプレゼントを、弟が……? |
|
アスカ
ああ、キミに受け取ってほしいとのことだ。死してなお、彼は姉に想いを託すことを選んだ。 |
|
女性
それじゃあ……弟は、今もこの近くに……? |
|
アスカ
いや……今はもう、天界か冥界かといったところかな。 |
|
アスカ
彼の精神は、このセカイにギリギリまで留まることを選んだけれど、途中で限界を迎えてしまってね。 |
|
アスカ
これは、彼からキミへ、最期の贈り物というわけだ。 |
|
女性
そうですか……。 |
|
アスカ
キミが受け入れられるのなら、リボンを解き、中身を確かめてみるといい。 |
|
女性
わかりました。 ……あの子の世界は、幼い頃からずっと、ベッドの上だけでした。 |
|
女性
気丈に振る舞っていたけど、本当は寂しかったのかもしれない……。 |
|
女性
私、知りたいです……っ! あの子が、どんな景色を見て、私に何を思っていたのか……。 |
|
しゅるっ
|
|
女性
これは……アルバム……? |
|
アスカ
ページを捲ってみるといい。 ……このプレゼントの本質はそこにあるから。 |
|
女性
これが……この綺麗な景色が、あの子の見てた世界なのね。 ……ううん。それだけじゃない。 |
|
女性
不思議な感覚だわ。 流れ込んでくるの。写真を撮った時の、あの子の記憶…… あの子の想いが……。 |
|
弟
──お姉ちゃんも、この写真、好きかなぁ? 外に出られなくても、窓から見る景色は、とっても綺麗! |
|
弟
──それを伝えたくて、僕はずっと、写真を撮ってた。 |
|
弟
──アルバムの最後は、僕の願いも込めて、笑顔のお姉ちゃんの写真にしよう。 |
|
弟
──お姉ちゃんには、僕の分まで綺麗な景色をたくさん見てほしい。それで、ずっと笑顔でいてほしい! |
|
弟
──僕は、お姉ちゃんのことが大好きだから! |
|
女性
…………っ! 私も……、私もあなたのこと、ずっと、ずっと、大好きよ……っ! |
|
女性
あの……っ! ありがとうございました。 弟の想いを、届けてくれて……っ! |
|
アスカ
……別にたいしたことじゃない。ボクはボクのしたいことをしただけだ。 |
|
ナツキ
今日もしてやられちまったな。 |
|
ピピピピピ
|
|
ミナミ
『……はい。こちらミナミ』 |
|
ナツキ
ははっ、不機嫌そうだな。 それも当然か。 |
|
ミナミ
『……茶化すのはやめてください』 |
|
ナツキ
悪い悪い。 任務失敗だ。死者の想いは生者に伝わっちまった。 今日は引くぞ。 |
|
ミナミ
『…………はい、先輩』 |
|
アスカ
…………。 |
|
ユウキ
アスカさん? お疲れですかっ? |
|
アスカ
ああ、仮眠でもとろうかと思ってね……。 |
|
ユウキ
では、私は事務所のお掃除をしておきますっ! 今日はモデルのお仕事もお休みなのでっ! |
|
アスカ
助かるよ。 ……相変わらず元気だな、キミは。 |
|
ユウキ
はいっ! そういうアスカさんは、元気なさそうですね? |
|
ユウキ
依頼された贈り物は無事届けられたし…… あ、お姉さんの反応がよくなかったとかですかっ? |
|
アスカ
ボクは届け先の反応まで気にしたりしないさ。 |
|
アスカ
ただ……また、何も思い出せなかったと思ってね。自分のことも、人が物を贈り合う意味も。 |
|
アスカ
今回の依頼人である弟も、届け先の姉も、家族を……互いを好きだと言っていた。 |
|
アスカ
好きも嫌いも、人が誰かに一方的に抱く感情…… 言ってみれば、エゴに過ぎない。 |
|
アスカ
……なのに、どうして人は、その感情に振り回され続けるんだろう。相手に伝えたいと望むんだろう。 |
|
ユウキ
だからこそ、アスカさんは贈り物を届け続けるんじゃないですか。いつか、その答えを知るためにっ。 |
|
アスカ
……本当に、理解る時が来るんだろうか……名前も憶えてない彼女は……どんな想いで、あの言葉を……。 |
|
ユウキ
アスカさん……? |
|
アスカ
…………。 |
|
ユウキ
寝ちゃってますね……。 もう、風邪ひきますよっ。 毛布毛布っと! |
|
彼女は、よく言っていました。
人に記憶を届け、想いを託す。 なのに、自分には何もない。 誰かに託す記憶も、想いも。 |
|
だから、彼女は生者と死人の境を越えて、何度も何度も、プレゼントを届け続けた。
|
|
いつか、記憶を──自分が誰かに託そうとしていた気持ちを、思い出せるよう願いながら。
|
ステージ1:夜の町・1
???
登場 |
||
---|---|---|
???
わわっ! びっくりした~…目の前に急に不思議な建物が…! |
||
アスカ
外が騒がしいな…客人かもしれない。…ユウキ、出てくれるかい? |
||
LIVE |
||
???
なんでしょう、ここ! |
||
WIN |
||
???
えぇいっ、覚悟を決めます! すみませーん、誰かいませんかー! |
||
アスカ
今回の客人は、随分と賑やかだね。先が思いやられるよ… |
||
DRAW |
||
???
帰り道もわからないし…とりあえず、道を聞くだけでも…っ! |
||
LOSE |
||
???
なんか不気味だし、もう帰ろうかな…。うぅ、でも……っ! |
ステージクリア
???
た、たのもーっ!! |
|
アスカ
……………。 |
|
???
えっ、無反応ですか!? わたし、かなり勇気出して入って来たんですけど!? |
|
アスカ
だとしても、いまどき「頼もう」はおかしいだろう? |
|
???
そこは、まあ、緊張をほぐそうと思って☆ あ、わたしはミウって言いますっ! |
|
ミウ
ふらふらーっと街を歩いてたんですけど、霧が出てきたなーと思って……気づいたら建物の前に来てて…… |
|
ミウ
一体どこなんでしょう、ここ。 |
|
アスカ
此処は、黄昏と夜闇の合間に佇む場所。 ボクたちの事務所だよ。 |
|
ミウ
?????? |
|
ユウキ
えっと、そこは助手の私、ユウキが解説をっ! ここは、強い想いを持った人だけが辿り着く場所なんです。 |
|
ユウキ
強い想いっていうのは、誰かに何かを伝えたいとかですねっ。 私たちはこの事務所でそのお手伝いをしています! |
|
ユウキ
それが『想いを届ける配達人』 ……通称、シークレット・プレゼントサービス なんですっ! |
|
ミウ
つまり……自分の気持ちを、誰かに伝えるお手伝いってことですか? あ、ラブレターの代筆業者とか? |
|
アスカ
ラブレターか。面白いね。 虚ろなボクが、誰かへの恋情を綴れるとでも? |
|
ミウ
えっと……うつろっていうのは????? |
|
アスカ
言葉の通りさ。ボクが覚えているのは、寒々しく何もない場所にいたこと。 |
|
アスカ
甘美なる憂鬱に呑まれながら歩いていたんだ。誰かに、何かを渡したいと願いながらね。 |
|
アスカ
そして、天使の慈悲か悪魔の悪戯か……、 気づいたらボクは此処にいた。 |
|
ミウ
あの! すみません! この人の言ってること、よくわからないんですけど!? |
|
ユウキ
最初はそうですよね……。 簡単に言うと、彼女、アスカさんには、ここに来るまでの記憶がないそうなんですっ。 |
|
ミウ
それって記憶喪失ですよね!? そんな人が責任者の事務所…… 怪しすぎではっ!? |
|
ユウキ
安心してくださいっ! 怪しいは怪しいんですけどっ、だからこそできることがあるっていうか……っ! |
|
アスカ
ユウキ、落ち着いてくれ。 キミが怪しいと連呼するものだから、客人の表情が曇っていく。 |
|
ユウキ
もうっ! アスカさんが説明下手だからですよっ! ……コホン。もう少しわかりやすく説明しますねっ! |
|
ユウキ
アスカさんは不思議な人で、不思議な能力を持っているんですっ! |
|
ユウキ
それは、人の贈り物に、贈り主の記憶をラッピングして届けることができるって能力なんですよっ。 |
|
アスカ
こればかりは、実践してみせた方が早いだろうね。キミは、何か特別な思い出や、思い入れのある物を持ってるかい? |
|
ミウ
そうですね……あっ! ネタ帳などどうでしょう? わたし、日課で一発ギャグを練ってるんですよ! |
|
ミウ
そのネタを書き込んだメモ帳、今ちょうどポッケに入ってました! |
|
アスカ
わかった。それじゃあ、キミがイチオシのギャグを思いついた時の記憶でも、ラッピングするとしよう。 |
|
アスカ
このメモ帳を、ボクの能力が込められた『箱』に入れて、リボンをかける。 ……さぁ、開けてみてくれ。 |
|
パアアアアッ
|
|
過去のミウ
──みうさぎピョーンピョン♪ |
|
過去のミウ
──あー、これはすごい。 すごいギャグを思いついちゃいましたね! 友達みんな、大爆笑間違いナシ! |
|
|
三人
………………。 |
ミウ
………すごい……すごいです! 本当にネタができた時の記憶が再生されました! |
|
ミウ
こう、頭に浮かぶようにぶわぁ~っと! びっくりです! |
|
アスカ
……今のはギャグだったのか? |
|
ユウキ
あっ、私は面白かったと思いますよっ! |
|
アスカ
まあ……これで、一通り説明も済んだ。その上で……ミウ、キミはボクたちに、何を望む? |
|
ミウ
へ? 何って、何でしょう?? |
|
アスカ
言っただろう? 此処には、伝えたい想いを持った者だけが訪れ、ボクたちはその手助けをしている。 |
|
ユウキ
ミウさんにもきっと、想いを届けたい人がいるんですよね! あっ、もちろんお代はいただきませんっ。 |
|
ユウキ
アスカさんが、人の想いを知りたいっていう理由でやってることなのでっ! |
|
ユウキ
それで、ミウさんは、誰に何を伝えたいんですかっ? |
|
ミウ
わたしの…伝えたいこと……。 |
|
ミウ
わたしは……カナちゃんに、笑顔になってほしい……。 |
|
ユウキ
カナちゃん? |
|
ミウ
えっと……わたしの友達、です。 |
|
ミウ
学校は違うけど、仲良しで…… カナちゃんは歌うことが好きで、合唱部で、今は音楽留学を控えてるんです! |
|
ミウ
でも、不安なことがあるみたいで……わたしといても、何も話してくれないし…… 笑わなくなっちゃった……。 |
|
ミウ
あの、わたし、伝えたいです! カナちゃんなら大丈夫だよって。不安に思うことなんて何もないんだよって! |
|
ミウ
だから、依頼を受けてくれるなら……アスカさん、ユウキちゃん、お願いします! |
|
ミウ
わたしのプレゼントで、カナちゃんに笑顔を取り戻したいんですっ! |
ステージ2:夜の町・2
ミウ
登場 |
||
---|---|---|
ミウ
プレゼントはお花に決めてて…ただ、今の時季咲いてるかなぁ? |
||
ユウキ
造花でも大丈夫ですよっ。大事なのは、込められた想いなのでっ |
||
LIVE |
||
ミウ
思い出の品を贈るんですっ |
||
WIN |
||
ミウ
クリスマスツリーに飾ってプレゼントとかどうでしょう? ネタになるし! |
||
ユウキ
ツリーは大きすぎるかもっ…今の時季なら、リースも可愛いですよっ |
||
DRAW |
||
ミウ
やっぱり、ドドーンと大きなものを贈りたいですね! ドドーンと☆ |
||
LOSE |
||
ミウ
カナちゃんと出会ったのはポピー畑だったんです…懐かしいなぁ |
ステージクリア
ミウ
よーしっ! プレゼントも準備ばっちり! あとは、この場で待つだけです☆ |
|
アスカ
ミウがクリスマスツリーを贈りたいって言い出した時はどうしようかと思ったけどね。 |
|
アスカ
さすがに、ツリーはボクの用意する『箱』には入らない。 |
|
ミウ
だって、今の季節にぴったりかなって! インパクト充分で笑いもとれそうですし! |
|
ミウ
でも、ユウキちゃんにアドバイスをもらって、リースにしてみました☆ |
|
アスカ
……いつも助かるよ、ユウキ。 |
|
ユウキ
えへへ、私はアスカさんの助手ですからっ! |
|
ユウキ
それにしても、もう夜なのに、カナちゃんとは学校で待ち合わせてるんですね? |
|
ミウ
はい! いつもこの時間にこの場所でって約束してたんです! |
|
アスカ
キミたちは通っている学校も違うんだろう? ミウの方から訪ねていくのか? こんな遅い時間に。 |
|
ミウ
カナちゃんは合唱部で忙しいんですよ。だから、わたしがいつも迎えに行くんです。一緒に帰ろって! |
|
ユウキ
わぁ! ほんとに仲良しなんですねっ! |
|
ミウ
……カナちゃんも、そう思ってくれてたらいいなぁ……。 |
|
ミウ
最近のカナちゃんは…… 待ち合わせ場所に来ても、わたしとは目も合わせてくれないんです……。 |
|
ミウ
逃げるように、先に歩いていっちゃうし……。 |
|
ユウキ
ひょっとして、ケンカしたんですか……? |
|
ミウ
そんな心当たりもなくて……。 もしかして、知らないうちに怒らせちゃったのかなぁ……。 |
|
ミウ
……なので、わたしは遠くからこそっと見てることにします! アスカさんとユウキちゃんからささっと渡してもらえたら! |
|
アスカ
ささっと、か……。できたらよかったんだけどね。 相変わらず、邪魔が入るみたいだ。 |
|
ミナミ
……貴方も、相変わらず勘だけは鋭いですね。 気配を消して近づいても、すぐに気づく。 |
|
アスカ
そんなに鋭い視線を飛ばされたら、気づいて当然だろう? |
|
ミウ
えっ!? 誰ですか!? 全っ然気づかなかった……! |
|
ユウキ
彼女はミナミさんと言って、私たちのライバルみたいな方ですっ! |
|
ミナミ
……ライバル? 甘い言葉で片づけないでください。 |
|
ミナミ
私たちの組織は、ただ貴方がたのような違反者を捕らえ、裁いているだけ……。 |
|
アスカ
ボクたちは、裁かれるような罪を犯した覚えはないよ。 |
|
ミナミ
いいえ。貴方たちのしている行為は、罪以外の何物でもないんです。 |
|
ミナミ
物を贈る。想いを届ける。 一見素晴らしい行為に思えるかもしれません。 |
|
ミナミ
ですが……裏を返せば、貴方のエゴと能力で、他者の記憶をいくらでも上塗りし、別物にできるということです。 |
|
アスカ
ボクは記憶を上塗りしてなんかいないさ。ただ、届けているだけだ。 |
|
ミナミ
それでも、貴方の能力は、生者同士の可愛いプレゼントに留まらない。死人から生者へと届けることもできる……。 |
|
ミナミ
天使でも悪魔でもないのに、生死に介入する行為は重罪です。それに……死人の想いなど、必要ないんですよ。 |
|
ミナミ
そんなものは、生者を混乱させるだけですから。 |
|
アスカ
……残念だよ、ミナミ。 価値観の衝突は、歩み寄り以外に解決の余地はない。 |
|
アスカ
けれど、ボクたちにはその余地すらない。……それで、キミはどうするつもりだい? |
|
アスカ
その剣で、ボクを断罪するとでも? 簡単なことだろうに……いつまで経ってもできやしないじゃないか。 |
|
アスカ
キミは今まで、一度だってボクを傷つけられたことはないだろう? |
|
ミナミ
この……っ! |
|
ナツキ
ストップだ、ミナミ! |
|
ミナミ
ナツキさん……。 |
|
ナツキ
アスカも、アタシの部下を煽るのはやめてくれ。 可愛い部下には、戦闘なんて危険行為、させたくないんだ。 |
|
ナツキ
それに、アンタが妙な事務所を開いて妙なことを請け負わなきゃ、こっちも血眼になって追い回さないさ。 |
|
ナツキ
さっさと廃業することをオススメするよ。 |
|
アスカ
その要求は呑めないね。 依頼人には、伝えたい想いがあるそうだから。 |
|
ナツキ
じゃあ、その想いがどうしても伝わらないってなったら、諦めてくれるのか? |
|
ナツキ
その『箱』を届けたい人は、もうここには姿を現さないようだからね。 |
|
ミウ
そんな……! カナちゃんに何をしたんですかっ!? |
|
ミナミ
……何もしていません。 ただ、先ほど困った顔でうろついていたので、保護したまでですよ。 |
|
ミウ
そんなこと言って、カナちゃんを無理矢理捕まえたんじゃないですか!? |
|
ユウキ
ミウちゃん、落ち着いて……っ! |
|
ミウ
カナちゃんは、毎日ここに来てくれました! |
|
ミウ
笑ってくれなくても、何も話してくれなくても、約束を破ったことなんてなかったんです! |
|
ミナミ
そのカナちゃんが言ったんですよ。 |
|
ミナミ
『ミウちゃんには会えない。それでも、わたしは待ち合わせの場所に向かってしまう』 って。 |
|
ナツキ
ま、あんなに辛そうな顔で言われちゃ、こっちとしても放っておけないんでね。 |
|
ミウ
嘘だ! そんなこと、カナちゃんが言うわけないっ! |
|
ミナミ
往生際が悪いんですね。 貴方だって、本当はわかっているはずなのに……。 |
|
ミナミ
それほど受け入れられないのなら、聞いてみますか? 私と彼女の会話を。 |
|
ピッ
|
|
ミナミ
『貴方は、ミウという友達に、会うつもりはないんですね?』 |
|
カナ
『……はい。 ミウちゃんには、会えない……会いたくないんです』 |
ステージ3:夜の学園・1
ミナミ
登場 |
||
---|---|---|
ミナミ
話は済みましたよね。では、速やかに貴方たちを捕らえます! |
||
アスカ
戦う気がないのは上司だけで…キミの方は、やる気いっぱいだ |
||
LIVE |
||
ミナミ
逃がしません……! |
||
WIN |
||
ミナミ
またそうやって、貴方は私から逃げるんですね…… |
||
アスカ
(気のせい…じゃないね。今、彼女の太刀筋は鈍っていた…) |
||
DRAW |
||
ミナミ
もう余計なことをしないと誓うのなら、逃がしてあげますよ |
||
LOSE |
||
ミナミ
残念でしたね。追い詰められた貴方たちに、逃げ場はありません |
ステージクリア
アスカ
はぁ……今日は意外とあっさり逃してくれたね。 |
|
ユウキ
それでも、かなり走り回ったので……みんな、疲れてますよね? 私、すぐにお茶でも淹れて── |
|
ミウ
…………。 |
|
ユウキ
…………ミウちゃん、大丈夫ですか? |
|
ミウ
あっ、すみません! つい考えごとを……! あのミナミって人、おっかなかったなー、とか☆ |
|
ユウキ
無理しなくていいんですよっ。 私だったら……たとえば、アスカさんに会いたくないって言われたら、ショックですし。 |
|
ミウ
無理なんてそんな…… してないって言ったら、嘘になっちゃいますけど……。 |
|
ミウ
でも今は、落ち込んでもしょうがないかなって! |
|
ミウ
わたしが落ち込んでカナちゃんが笑顔を取り戻すなら、喜んでそうしますけど……カナちゃんは、そんな子じゃないですし! |
|
ミウ
カナちゃんの笑顔を見たいなら、まずはわたしから笑わなきゃ☆ |
|
アスカ
なるほど……興味深いね。 それじゃあ、そんなミウのためにも、ボクは別室で作戦を練るとするよ。 |
|
ガチャ──パタン。
|
|
ミウ
あれ? もしかしてわたし、呆れられてます? 何へらへら笑ってるんだー、みたいな? |
|
ユウキ
いえ! アスカさんに限ってそれはないですっ! 本当に興味深かったんだと思いますよっ。 |
|
ユウキ
淡々としてるから、誤解されやすいけど……アスカさん、以前言ってました。 |
|
ユウキ
自分は、傍観者なんだって。 セカイで起きている事象を、ただ観測するだけ。 |
|
ユウキ
記憶がなくとも、特段の不便もなく…… ただ淡々と贈り物を届けるだけ……。 |
|
ユウキ
そこに込められた記憶を読み取ることはできても、共感することはできないそうです。 |
|
ユウキ
だから、自分はセカイの外側にぽつんと置かれた人間なんだろうって……そう言ってました……。 |
|
ミウ
アスカさんの言葉はよくわかんないですけど…… その考え方は、なんだか少し寂しいですね……。 |
|
ユウキ
うん。きっと、アスカさんもそう思ってるから……たくさんの贈り物を届けながら人を理解しようとしてて。 |
|
ユウキ
だから、カナちゃんのために頑張るミウちゃんを、興味深いって思ったんじゃないかなっ? |
|
ミウ
んー、アスカさんは、人の想いがわからないそうですけど…… |
|
ミウ
誰かのことを考えて行動できるのは、優しいってことで…… それも、ひとつの想いなんじゃないのかな? |
|
ユウキ
そうっ! そうなんですっ! アスカさんって、すっごく優しいんですよ! 自覚がないだけでっ! |
|
ミウ
あ、ユウキちゃんと出会った時から、アスカさんってあんな感じだったんですか? |
|
ユウキ
はいっ! アスカさんは、初めて会った時も、私を助けてくれたんですっ。 |
|
(彼女と初めて会った日、私は泣いていました)
|
|
(ちょっぴり嫌なことがあったからという理由で、ずっと俯いて……子どものように、泣いていました)
|
|
もうやだ……!
クリスマスなんて、大っ嫌い……っ! |
|
(その日は、午前中にジュニアモデルのお仕事があったんですっ)
|
|
(クリスマス特集で、マネージャーのお母さんは、可愛い服がたくさん着られるって言ってくれて……)
|
|
(でも、実際の撮影で着ることになったのは、かっこいい服ばかりでした)
|
|
(そんなことで拗ねてしまう自分が、子どもっぽくて嫌でした)
|
|
(それ以上に、お母さんのことを嘘つきだと言ってしまった自分が、もっともっと嫌でした)
|
|
(そんな時に出会ったのが、アスカさんだったんです)
|
|
アスカ
ボクは、キミに贈り物を届けに来たんだ。 |
|
ユウキ
大きな箱……一体、誰から……。 |
|
アスカ
キミの母親からだよ。 ……ボクは能力を込める箱を選んでただけなのに、勘違いされてね。 |
|
アスカ
キミの母親は、ボクをただの配達人だと思ったらしい。 生者から生者への届け物は専門外だというのに……。 |
|
(当時の私にはよくわからないことを呟いて、アスカさんは私にプレゼントをぐいぐい押し付けてきました)
|
|
(プレゼントの中身は、とっても可愛い、フリルとレースのワンピース)
|
|
(そして同時に、私にその服を選んだ時のお母さんの気持ちも、手にとるようにわかったんですっ)
|
|
ユウキの母
──いつも事務所の方針で、かっこいい服ばかりだけど…… あの子、本当は可愛いものが好きなのよ。 |
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ユウキの母
──きっと、可愛い服だって着たいはずだわ。私、ずっと気づいてあげられなかった…… あの子の母親なのにね。 |
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ユウキの母
──ユウキは世界一可愛い子。 だから、この可愛いワンピースだって、絶対似合うわっ! |
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ユウキ
これは……? |
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アスカ
キミの母親の記憶…… いや、想い……かな。 |
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アスカ
伝わって、キミが受け入れたなら、その服を着るといい。 |
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ユウキ
でも……私に本当に似合うか、わからないし……っ! |
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ユウキ
撮影でも言われましたっ! 『ユウキちゃんは、やっぱりカッコイイ服じゃないとね』 って。だから……、私……っ! |
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アスカ
困ったな……。 頼むから泣かないでくれ……。 ボクは上手く慰められるタイプじゃないんだよ。 |
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アスカ
そうだな……信念をもって纏った衣服は、意外としっくりくるものだと聞いたことがある。 |
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アスカ
それに、その服を着たキミに、似合うと、可愛いと言ってくれる人は、確実にいるじゃないか。 |
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ユウキ
そっか……お母さん……っ。 |
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アスカ
ああ。だからせめて、その人には見せてくるといい。 きっと、喜ぶだろうから。 |
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ユウキ
そうですよね……っ! あの、ありがとうございますっ! プレゼントを届けてくれて、すごい魔法もかかっててっ! |
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ユウキ
ワンピースを着たら、お母さんにありがとうを言って……あ! 私もお母さんにクリスマスプレゼント買わなきゃっ! |
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アスカ
……ふふ、キミは忙しないね。 表情がくるくる変わって、興味深い。 |
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ユウキ
本当に、ありがとうございましたっ! えっと……。 |
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アスカ
ボクはアスカ。 そんなことより……往ってくるといい。キミの大切な人のもとにね。 |
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ユウキ
はいっ! 行ってきます、アスカさんっ! |
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(見送ってくれたアスカさんは少し寂しそうな顔をしていました)
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(あの特別なプレゼントは、何だったんだろう。
彼女はどんな人なんだろう。 どうして寂しそうなのかな) |
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(アスカさんに……もう一度、会いたいっ!)
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ユウキ
そうして私は、ミウさんと同じように、霧の中を彷徨って、気づけばこの事務所の前にいたんですっ。 |
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ユウキ
アスカさんは、あの時の私を見て、ミウちゃんと同じような印象を抱いたんだと思います。 |
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ユウキ
興味深くて、自分とは違う存在。大切な記憶も、伝えたい想いも抱えて生きている存在。 |
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ユウキ
アスカさんは、そんな私たちと自分は違うって、自分は虚ろだって言うけど、私は違うと思ってて……っ。 |
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ガチャ
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アスカ
思い出話は済んだかい? |
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二人
アスカさんっ! |
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アスカ
作戦が決まったよ。 それじゃあ、今夜にでも実行するとしようか。 |