イベント[追想公演] のバックアップ(No.9)
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- 1 (2020-12-13 (日) 10:44:19)
- 2 (2020-12-13 (日) 18:10:42)
- 3 (2020-12-13 (日) 21:03:52)
- 4 (2020-12-14 (月) 00:25:53)
- 5 (2020-12-14 (月) 20:28:39)
- 6 (2020-12-14 (月) 22:21:32)
- 7 (2020-12-15 (火) 01:10:51)
- 8 (2020-12-15 (火) 22:29:00)
- 9 (2020-12-15 (火) 23:51:12)
- 10 (2020-12-16 (水) 23:04:21)
- 11 (2020-12-17 (木) 00:54:20)
- 12 (2020-12-17 (木) 22:13:43)
- 13 (2020-12-18 (金) 00:22:13)
- 14 (2020-12-18 (金) 21:26:27)
- 15 (2020-12-18 (金) 22:47:15)
- 16 (2020-12-20 (日) 19:39:41)
- 17 (2020-12-21 (月) 00:25:56)
- 18 (2020-12-21 (月) 01:37:25)
- 19 (2020-12-21 (月) 23:35:02)
- 20 (2020-12-22 (火) 02:27:58)
- 21 (2020-12-23 (水) 02:20:35)
- 22 (2020-12-24 (木) 02:25:31)
- 23 (2020-12-25 (金) 01:49:24)
- 24 (2020-12-26 (土) 09:47:02)
- 25 (2020-12-26 (土) 13:02:48)
- 26 (2020-12-26 (土) 17:31:36)
- 27 (2020-12-26 (土) 18:32:08)
- 28 (2020-12-26 (土) 21:00:55)
- 29 (2020-12-26 (土) 22:11:08)
- 30 (2020-12-27 (日) 19:41:12)
- 31 (2020-12-27 (日) 20:53:54)
- 32 (2020-12-27 (日) 22:44:30)
- 33 (2020-12-28 (月) 00:04:48)
ここでは、[LIVEツアーカーニバル:追想公演 Missing Link Memories]についての加奈ちゃんさんをまとめています。
イベント情報
開催期間
2020/12/10 ~ 2020/12/18
登場アイドル一覧
[お花見]水木聖來
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[ディアンドルガール]北川真尋
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[美しき挑発]兵藤レナ
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[ギフト・レミニセンス]二宮飛鳥
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オープニング
人とは、想いを託す存在です。
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時には言葉に優しさを。
時には贈り物に慈悲を。 そして、時には記憶に愛憎を。 |
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人は今日も、誰かから託された想いを胸に──
このセカイで生きています。 |
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ミナミ
待ちなさい! ユウキ・オトクラ! |
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ユウキ
ま、待ちません……っ! |
|
ユウキ
はぁっ……はぁっ……! ……まだ、私の走りについてきてる……っ! しかも、息切れもしてないなんてっ! |
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ミナミ
貴方は違反者です。 死人(しびと)の記憶を、想いを生者に届けに行くなんて……。 |
|
ミナミ
明らかに、私たちの組織『記憶統制機関』── メモリーズシステムの掟と相反します! |
|
ミナミ
今すぐ止まりなさい! |
|
ユウキ
お断りします……っ! だって、私たちには…… 届けたい想いがあるからっ! |
|
ミナミ
くっ……ちょこまかと鬱陶しい……! 一気に片づけてしまいましょう。 |
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ミナミ
ザシュッ |
|
ユウキ
わわっ!? |
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ユウキ
(剣を抜いた……っ! どうしよう……これじゃあ時間稼ぎにも限界がありますよ……っ!) |
|
ユウキ
(アスカさん……上手くやってくれてるといいけど……っ) |
|
ピピピピピ
|
|
???
『おい! ミナミ! 聞こえるか?』 |
|
ミナミ
はい。何でしょう、ナツキさん。 現在、対象者を追跡中です。 用件は手短に…… |
|
ナツキ
『そいつはただの囮だ! 『箱』を持った対象者は…… アスカは、別の場所にいるッ!』 |
|
女性
このプレゼントを、弟が……? |
|
アスカ
ああ、キミに受け取ってほしいとのことだ。死してなお、彼は姉に想いを託すことを選んだ。 |
|
女性
それじゃあ……弟は、今もこの近くに……? |
|
アスカ
いや……今はもう、天界か冥界かといったところかな。 |
|
アスカ
彼の精神は、このセカイにギリギリまで留まることを選んだけれど、途中で限界を迎えてしまってね。 |
|
アスカ
これは、彼からキミへ、最期の贈り物というわけだ。 |
|
女性
そうですか……。 |
|
アスカ
キミが受け入れられるのなら、リボンを解き、中身を確かめてみるといい。 |
|
女性
わかりました。 ……あの子の世界は、幼い頃からずっと、ベッドの上だけでした。 |
|
女性
気丈に振る舞っていたけど、本当は寂しかったのかもしれない……。 |
|
女性
私、知りたいです……っ! あの子が、どんな景色を見て、私に何を思っていたのか……。 |
|
しゅるっ
|
|
女性
これは……アルバム……? |
|
アスカ
ページを捲ってみるといい。 ……このプレゼントの本質はそこにあるから。 |
|
女性
これが……この綺麗な景色が、あの子の見てた世界なのね。 ……ううん。それだけじゃない。 |
|
女性
不思議な感覚だわ。 流れ込んでくるの。写真を撮った時の、あの子の記憶…… あの子の想いが……。 |
|
弟
──お姉ちゃんも、この写真、好きかなぁ? 外に出られなくても、窓から見る景色は、とっても綺麗! |
|
弟
──それを伝えたくて、僕はずっと、写真を撮ってた。 |
|
弟
──アルバムの最後は、僕の願いも込めて、笑顔のお姉ちゃんの写真にしよう。 |
|
弟
──お姉ちゃんには、僕の分まで綺麗な景色をたくさん見てほしい。それで、ずっと笑顔でいてほしい! |
|
弟
──僕は、お姉ちゃんのことが大好きだから! |
|
女性
…………っ! 私も……、私もあなたのこと、ずっと、ずっと、大好きよ……っ! |
|
女性
あの……っ! ありがとうございました。 弟の想いを、届けてくれて……っ! |
|
アスカ
……別にたいしたことじゃない。ボクはボクのしたいことをしただけだ。 |
|
ナツキ
今日もしてやられちまったな。 |
|
ピピピピピ
|
|
ミナミ
『……はい。こちらミナミ』 |
|
ナツキ
ははっ、不機嫌そうだな。 それも当然か。 |
|
ミナミ
『……茶化すのはやめてください』 |
|
ナツキ
悪い悪い。 任務失敗だ。死者の想いは生者に伝わっちまった。 今日は引くぞ。 |
|
ミナミ
『…………はい、先輩』 |
|
アスカ
…………。 |
|
ユウキ
アスカさん? お疲れですかっ? |
|
アスカ
ああ、仮眠でもとろうかと思ってね……。 |
|
ユウキ
では、私は事務所のお掃除をしておきますっ! 今日はモデルのお仕事もお休みなのでっ! |
|
アスカ
助かるよ。 ……相変わらず元気だな、キミは。 |
|
ユウキ
はいっ! そういうアスカさんは、元気なさそうですね? |
|
ユウキ
依頼された贈り物は無事届けられたし…… あ、お姉さんの反応がよくなかったとかですかっ? |
|
アスカ
ボクは届け先の反応まで気にしたりしないさ。 |
|
アスカ
ただ……また、何も思い出せなかったと思ってね。自分のことも、人が物を贈り合う意味も。 |
|
アスカ
今回の依頼人である弟も、届け先の姉も、家族を……互いを好きだと言っていた。 |
|
アスカ
好きも嫌いも、人が誰かに一方的に抱く感情…… 言ってみれば、エゴに過ぎない。 |
|
アスカ
……なのに、どうして人は、その感情に振り回され続けるんだろう。相手に伝えたいと望むんだろう。 |
|
ユウキ
だからこそ、アスカさんは贈り物を届け続けるんじゃないですか。いつか、その答えを知るためにっ。 |
|
アスカ
……本当に、理解る時が来るんだろうか……名前も憶えてない彼女は……どんな想いで、あの言葉を……。 |
|
ユウキ
アスカさん……? |
|
アスカ
…………。 |
|
ユウキ
寝ちゃってますね……。 もう、風邪ひきますよっ。 毛布毛布っと! |
|
彼女は、よく言っていました。
人に記憶を届け、想いを託す。 なのに、自分には何もない。 誰かに託す記憶も、想いも。 |
|
だから、彼女は生者と死人の境を越えて、何度も何度も、プレゼントを届け続けた。
|
|
いつか、記憶を──自分が誰かに託そうとしていた気持ちを、思い出せるよう願いながら。
|
ステージ1:夜の町・1
???
登場 |
||
---|---|---|
???
わわっ! びっくりした~…目の前に急に不思議な建物が…! |
||
アスカ
外が騒がしいな…客人かもしれない。…ユウキ、出てくれるかい? |
||
LIVE |
||
???
なんでしょう、ここ! |
||
WIN |
||
???
えぇいっ、覚悟を決めます! すみませーん、誰かいませんかー! |
||
アスカ
今回の客人は、随分と賑やかだね。先が思いやられるよ… |
||
DRAW |
||
???
帰り道もわからないし…とりあえず、道を聞くだけでも…っ! |
||
LOSE |
||
???
なんか不気味だし、もう帰ろうかな…。うぅ、でも……っ! |
ステージクリア
???
た、たのもーっ!! |
|
アスカ
……………。 |
|
???
えっ、無反応ですか!? わたし、かなり勇気出して入って来たんですけど!? |
|
アスカ
だとしても、いまどき「頼もう」はおかしいだろう? |
|
???
そこは、まあ、緊張をほぐそうと思って☆ あ、わたしはミウって言いますっ! |
|
ミウ
ふらふらーっと街を歩いてたんですけど、霧が出てきたなーと思って……気づいたら建物の前に来てて…… |
|
ミウ
一体どこなんでしょう、ここ。 |
|
アスカ
此処は、黄昏と夜闇の合間に佇む場所。 ボクたちの事務所だよ。 |
|
ミウ
?????? |
|
ユウキ
えっと、そこは助手の私、ユウキが解説をっ! ここは、強い想いを持った人だけが辿り着く場所なんです。 |
|
ユウキ
強い想いっていうのは、誰かに何かを伝えたいとかですねっ。 私たちはこの事務所でそのお手伝いをしています! |
|
ユウキ
それが『想いを届ける配達人』 ……通称、シークレット・プレゼントサービス なんですっ! |
|
ミウ
つまり……自分の気持ちを、誰かに伝えるお手伝いってことですか? あ、ラブレターの代筆業者とか? |
|
アスカ
ラブレターか。面白いね。 虚ろなボクが、誰かへの恋情を綴れるとでも? |
|
ミウ
えっと……うつろっていうのは????? |
|
アスカ
言葉の通りさ。ボクが覚えているのは、寒々しく何もない場所にいたこと。 |
|
アスカ
甘美なる憂鬱に呑まれながら歩いていたんだ。誰かに、何かを渡したいと願いながらね。 |
|
アスカ
そして、天使の慈悲か悪魔の悪戯か……、 気づいたらボクは此処にいた。 |
|
ミウ
あの! すみません! この人の言ってること、よくわからないんですけど!? |
|
ユウキ
最初はそうですよね……。 簡単に言うと、彼女、アスカさんには、ここに来るまでの記憶がないそうなんですっ。 |
|
ミウ
それって記憶喪失ですよね!? そんな人が責任者の事務所…… 怪しすぎではっ!? |
|
ユウキ
安心してくださいっ! 怪しいは怪しいんですけどっ、だからこそできることがあるっていうか……っ! |
|
アスカ
ユウキ、落ち着いてくれ。 キミが怪しいと連呼するものだから、客人の表情が曇っていく。 |
|
ユウキ
もうっ! アスカさんが説明下手だからですよっ! ……コホン。もう少しわかりやすく説明しますねっ! |
|
ユウキ
アスカさんは不思議な人で、不思議な能力を持っているんですっ! |
|
ユウキ
それは、人の贈り物に、贈り主の記憶をラッピングして届けることができるって能力なんですよっ。 |
|
アスカ
こればかりは、実践してみせた方が早いだろうね。キミは、何か特別な思い出や、思い入れのある物を持ってるかい? |
|
ミウ
そうですね……あっ! ネタ帳などどうでしょう? わたし、日課で一発ギャグを練ってるんですよ! |
|
ミウ
そのネタを書き込んだメモ帳、今ちょうどポッケに入ってました! |
|
アスカ
わかった。それじゃあ、キミがイチオシのギャグを思いついた時の記憶でも、ラッピングするとしよう。 |
|
アスカ
このメモ帳を、ボクの能力が込められた『箱』に入れて、リボンをかける。 ……さぁ、開けてみてくれ。 |
|
パアアアアッ
|
|
過去のミウ
──みうさぎピョーンピョン♪ |
|
過去のミウ
──あー、これはすごい。 すごいギャグを思いついちゃいましたね! 友達みんな、大爆笑間違いナシ! |
|
|
三人
………………。 |
ミウ
………すごい……すごいです! 本当にネタができた時の記憶が再生されました! |
|
ミウ
こう、頭に浮かぶようにぶわぁ~っと! びっくりです! |
|
アスカ
……今のはギャグだったのか? |
|
ユウキ
あっ、私は面白かったと思いますよっ! |
|
アスカ
まあ……これで、一通り説明も済んだ。その上で……ミウ、キミはボクたちに、何を望む? |
|
ミウ
へ? 何って、何でしょう?? |
|
アスカ
言っただろう? 此処には、伝えたい想いを持った者だけが訪れ、ボクたちはその手助けをしている。 |
|
ユウキ
ミウさんにもきっと、想いを届けたい人がいるんですよね! あっ、もちろんお代はいただきませんっ。 |
|
ユウキ
アスカさんが、人の想いを知りたいっていう理由でやってることなのでっ! |
|
ユウキ
それで、ミウさんは、誰に何を伝えたいんですかっ? |
|
ミウ
わたしの…伝えたいこと……。 |
|
ミウ
わたしは……カナちゃんに、笑顔になってほしい……。 |
|
ユウキ
カナちゃん? |
|
ミウ
えっと……わたしの友達、です。 |
|
ミウ
学校は違うけど、仲良しで…… カナちゃんは歌うことが好きで、合唱部で、今は音楽留学を控えてるんです! |
|
ミウ
でも、不安なことがあるみたいで……わたしといても、何も話してくれないし…… 笑わなくなっちゃった……。 |
|
ミウ
あの、わたし、伝えたいです! カナちゃんなら大丈夫だよって。不安に思うことなんて何もないんだよって! |
|
ミウ
だから、依頼を受けてくれるなら……アスカさん、ユウキちゃん、お願いします! |
|
ミウ
わたしのプレゼントで、カナちゃんに笑顔を取り戻したいんですっ! |
ステージ2:夜の町・2
ミウ
登場 |
||
---|---|---|
ミウ
プレゼントはお花に決めてて…ただ、今の時季咲いてるかなぁ? |
||
ユウキ
造花でも大丈夫ですよっ。大事なのは、込められた想いなのでっ |
||
LIVE |
||
ミウ
思い出の品を贈るんですっ |
||
WIN |
||
ミウ
クリスマスツリーに飾ってプレゼントとかどうでしょう? ネタになるし! |
||
ユウキ
ツリーは大きすぎるかもっ…今の時季なら、リースも可愛いですよっ |
||
DRAW |
||
ミウ
やっぱり、ドドーンと大きなものを贈りたいですね! ドドーンと☆ |
||
LOSE |
||
ミウ
カナちゃんと出会ったのはポピー畑だったんです…懐かしいなぁ |
ステージクリア
ミウ
よーしっ! プレゼントも準備ばっちり! あとは、この場で待つだけです☆ |
|
アスカ
ミウがクリスマスツリーを贈りたいって言い出した時はどうしようかと思ったけどね。 |
|
アスカ
さすがに、ツリーはボクの用意する『箱』には入らない。 |
|
ミウ
だって、今の季節にぴったりかなって! インパクト充分で笑いもとれそうですし! |
|
ミウ
でも、ユウキちゃんにアドバイスをもらって、リースにしてみました☆ |
|
アスカ
……いつも助かるよ、ユウキ。 |
|
ユウキ
えへへ、私はアスカさんの助手ですからっ! |
|
ユウキ
それにしても、もう夜なのに、カナちゃんとは学校で待ち合わせてるんですね? |
|
ミウ
はい! いつもこの時間にこの場所でって約束してたんです! |
|
アスカ
キミたちは通っている学校も違うんだろう? ミウの方から訪ねていくのか? こんな遅い時間に。 |
|
ミウ
カナちゃんは合唱部で忙しいんですよ。だから、わたしがいつも迎えに行くんです。一緒に帰ろって! |
|
ユウキ
わぁ! ほんとに仲良しなんですねっ! |
|
ミウ
……カナちゃんも、そう思ってくれてたらいいなぁ……。 |
|
ミウ
最近のカナちゃんは…… 待ち合わせ場所に来ても、わたしとは目も合わせてくれないんです……。 |
|
ミウ
逃げるように、先に歩いていっちゃうし……。 |
|
ユウキ
ひょっとして、ケンカしたんですか……? |
|
ミウ
そんな心当たりもなくて……。 もしかして、知らないうちに怒らせちゃったのかなぁ……。 |
|
ミウ
……なので、わたしは遠くからこそっと見てることにします! アスカさんとユウキちゃんからささっと渡してもらえたら! |
|
アスカ
ささっと、か……。できたらよかったんだけどね。 相変わらず、邪魔が入るみたいだ。 |
|
ミナミ
……貴方も、相変わらず勘だけは鋭いですね。 気配を消して近づいても、すぐに気づく。 |
|
アスカ
そんなに鋭い視線を飛ばされたら、気づいて当然だろう? |
|
ミウ
えっ!? 誰ですか!? 全っ然気づかなかった……! |
|
ユウキ
彼女はミナミさんと言って、私たちのライバルみたいな方ですっ! |
|
ミナミ
……ライバル? 甘い言葉で片づけないでください。 |
|
ミナミ
私たちの組織は、ただ貴方がたのような違反者を捕らえ、裁いているだけ……。 |
|
アスカ
ボクたちは、裁かれるような罪を犯した覚えはないよ。 |
|
ミナミ
いいえ。貴方たちのしている行為は、罪以外の何物でもないんです。 |
|
ミナミ
物を贈る。想いを届ける。 一見素晴らしい行為に思えるかもしれません。 |
|
ミナミ
ですが……裏を返せば、貴方のエゴと能力で、他者の記憶をいくらでも上塗りし、別物にできるということです。 |
|
アスカ
ボクは記憶を上塗りしてなんかいないさ。ただ、届けているだけだ。 |
|
ミナミ
それでも、貴方の能力は、生者同士の可愛いプレゼントに留まらない。死人から生者へと届けることもできる……。 |
|
ミナミ
天使でも悪魔でもないのに、生死に介入する行為は重罪です。それに……死人の想いなど、必要ないんですよ。 |
|
ミナミ
そんなものは、生者を混乱させるだけですから。 |
|
アスカ
……残念だよ、ミナミ。 価値観の衝突は、歩み寄り以外に解決の余地はない。 |
|
アスカ
けれど、ボクたちにはその余地すらない。……それで、キミはどうするつもりだい? |
|
アスカ
その剣で、ボクを断罪するとでも? 簡単なことだろうに……いつまで経ってもできやしないじゃないか。 |
|
アスカ
キミは今まで、一度だってボクを傷つけられたことはないだろう? |
|
ミナミ
この……っ! |
|
ナツキ
ストップだ、ミナミ! |
|
ミナミ
ナツキさん……。 |
|
ナツキ
アスカも、アタシの部下を煽るのはやめてくれ。 可愛い部下には、戦闘なんて危険行為、させたくないんだ。 |
|
ナツキ
それに、アンタが妙な事務所を開いて妙なことを請け負わなきゃ、こっちも血眼になって追い回さないさ。 |
|
ナツキ
さっさと廃業することをオススメするよ。 |
|
アスカ
その要求は呑めないね。 依頼人には、伝えたい想いがあるそうだから。 |
|
ナツキ
じゃあ、その想いがどうしても伝わらないってなったら、諦めてくれるのか? |
|
ナツキ
その『箱』を届けたい人は、もうここには姿を現さないようだからね。 |
|
ミウ
そんな……! カナちゃんに何をしたんですかっ!? |
|
ミナミ
……何もしていません。 ただ、先ほど困った顔でうろついていたので、保護したまでですよ。 |
|
ミウ
そんなこと言って、カナちゃんを無理矢理捕まえたんじゃないですか!? |
|
ユウキ
ミウちゃん、落ち着いて……っ! |
|
ミウ
カナちゃんは、毎日ここに来てくれました! |
|
ミウ
笑ってくれなくても、何も話してくれなくても、約束を破ったことなんてなかったんです! |
|
ミナミ
そのカナちゃんが言ったんですよ。 |
|
ミナミ
『ミウちゃんには会えない。それでも、わたしは待ち合わせの場所に向かってしまう』 って。 |
|
ナツキ
ま、あんなに辛そうな顔で言われちゃ、こっちとしても放っておけないんでね。 |
|
ミウ
嘘だ! そんなこと、カナちゃんが言うわけないっ! |
|
ミナミ
往生際が悪いんですね。 貴方だって、本当はわかっているはずなのに……。 |
|
ミナミ
それほど受け入れられないのなら、聞いてみますか? 私と彼女の会話を。 |
|
ピッ
|
|
ミナミ
『貴方は、ミウという友達に、会うつもりはないんですね?』 |
|
カナ
『……はい。 ミウちゃんには、会えない……会いたくないんです』 |
ステージ3:夜の学園・1
ミナミ
登場 |
||
---|---|---|
ミナミ
話は済みましたよね。では、速やかに貴方たちを捕らえます! |
||
アスカ
戦う気がないのは上司だけで…キミの方は、やる気いっぱいだ |
||
LIVE |
||
ミナミ
逃がしません……! |
||
WIN |
||
ミナミ
またそうやって、貴方は私から逃げるんですね…… |
||
アスカ
(気のせい…じゃないね。今、彼女の太刀筋は鈍っていた…) |
||
DRAW |
||
ミナミ
もう余計なことをしないと誓うのなら、逃がしてあげますよ |
||
LOSE |
||
ミナミ
残念でしたね。追い詰められた貴方たちに、逃げ場はありません |
ステージクリア
アスカ
はぁ……今日は意外とあっさり逃してくれたね。 |
|
ユウキ
それでも、かなり走り回ったので……みんな、疲れてますよね? 私、すぐにお茶でも淹れて── |
|
ミウ
…………。 |
|
ユウキ
…………ミウちゃん、大丈夫ですか? |
|
ミウ
あっ、すみません! つい考えごとを……! あのミナミって人、おっかなかったなー、とか☆ |
|
ユウキ
無理しなくていいんですよっ。 私だったら……たとえば、アスカさんに会いたくないって言われたら、ショックですし。 |
|
ミウ
無理なんてそんな…… してないって言ったら、嘘になっちゃいますけど……。 |
|
ミウ
でも今は、落ち込んでもしょうがないかなって! |
|
ミウ
わたしが落ち込んでカナちゃんが笑顔を取り戻すなら、喜んでそうしますけど……カナちゃんは、そんな子じゃないですし! |
|
ミウ
カナちゃんの笑顔を見たいなら、まずはわたしから笑わなきゃ☆ |
|
アスカ
なるほど……興味深いね。 それじゃあ、そんなミウのためにも、ボクは別室で作戦を練るとするよ。 |
|
ガチャ──パタン。
|
|
ミウ
あれ? もしかしてわたし、呆れられてます? 何へらへら笑ってるんだー、みたいな? |
|
ユウキ
いえ! アスカさんに限ってそれはないですっ! 本当に興味深かったんだと思いますよっ。 |
|
ユウキ
淡々としてるから、誤解されやすいけど……アスカさん、以前言ってました。 |
|
ユウキ
自分は、傍観者なんだって。 セカイで起きている事象を、ただ観測するだけ。 |
|
ユウキ
記憶がなくとも、特段の不便もなく…… ただ淡々と贈り物を届けるだけ……。 |
|
ユウキ
そこに込められた記憶を読み取ることはできても、共感することはできないそうです。 |
|
ユウキ
だから、自分はセカイの外側にぽつんと置かれた人間なんだろうって……そう言ってました……。 |
|
ミウ
アスカさんの言葉はよくわかんないですけど…… その考え方は、なんだか少し寂しいですね……。 |
|
ユウキ
うん。きっと、アスカさんもそう思ってるから……たくさんの贈り物を届けながら人を理解しようとしてて。 |
|
ユウキ
だから、カナちゃんのために頑張るミウちゃんを、興味深いって思ったんじゃないかなっ? |
|
ミウ
んー、アスカさんは、人の想いがわからないそうですけど…… |
|
ミウ
誰かのことを考えて行動できるのは、優しいってことで…… それも、ひとつの想いなんじゃないのかな? |
|
ユウキ
そうっ! そうなんですっ! アスカさんって、すっごく優しいんですよ! 自覚がないだけでっ! |
|
ミウ
あ、ユウキちゃんと出会った時から、アスカさんってあんな感じだったんですか? |
|
ユウキ
はいっ! アスカさんは、初めて会った時も、私を助けてくれたんですっ。 |
|
(彼女と初めて会った日、私は泣いていました)
|
|
(ちょっぴり嫌なことがあったからという理由で、ずっと俯いて……子どものように、泣いていました)
|
|
もうやだ……!
クリスマスなんて、大っ嫌い……っ! |
|
(その日は、午前中にジュニアモデルのお仕事があったんですっ)
|
|
(クリスマス特集で、マネージャーのお母さんは、可愛い服がたくさん着られるって言ってくれて……)
|
|
(でも、実際の撮影で着ることになったのは、かっこいい服ばかりでした)
|
|
(そんなことで拗ねてしまう自分が、子どもっぽくて嫌でした)
|
|
(それ以上に、お母さんのことを嘘つきだと言ってしまった自分が、もっともっと嫌でした)
|
|
(そんな時に出会ったのが、アスカさんだったんです)
|
|
アスカ
ボクは、キミに贈り物を届けに来たんだ。 |
|
ユウキ
大きな箱……一体、誰から……。 |
|
アスカ
キミの母親からだよ。 ……ボクは能力を込める箱を選んでただけなのに、勘違いされてね。 |
|
アスカ
キミの母親は、ボクをただの配達人だと思ったらしい。 生者から生者への届け物は専門外だというのに……。 |
|
(当時の私にはよくわからないことを呟いて、アスカさんは私にプレゼントをぐいぐい押し付けてきました)
|
|
(プレゼントの中身は、とっても可愛い、フリルとレースのワンピース)
|
|
(そして同時に、私にその服を選んだ時のお母さんの気持ちも、手にとるようにわかったんですっ)
|
|
ユウキの母
──いつも事務所の方針で、かっこいい服ばかりだけど…… あの子、本当は可愛いものが好きなのよ。 |
|
ユウキの母
──きっと、可愛い服だって着たいはずだわ。私、ずっと気づいてあげられなかった…… あの子の母親なのにね。 |
|
ユウキの母
──ユウキは世界一可愛い子。 だから、この可愛いワンピースだって、絶対似合うわっ! |
|
ユウキ
これは……? |
|
アスカ
キミの母親の記憶…… いや、想い……かな。 |
|
アスカ
伝わって、キミが受け入れたなら、その服を着るといい。 |
|
ユウキ
でも……私に本当に似合うか、わからないし……っ! |
|
ユウキ
撮影でも言われましたっ! 『ユウキちゃんは、やっぱりカッコイイ服じゃないとね』 って。だから……、私……っ! |
|
アスカ
困ったな……。 頼むから泣かないでくれ……。 ボクは上手く慰められるタイプじゃないんだよ。 |
|
アスカ
そうだな……信念をもって纏った衣服は、意外としっくりくるものだと聞いたことがある。 |
|
アスカ
それに、その服を着たキミに、似合うと、可愛いと言ってくれる人は、確実にいるじゃないか。 |
|
ユウキ
そっか……お母さん……っ。 |
|
アスカ
ああ。だからせめて、その人には見せてくるといい。 きっと、喜ぶだろうから。 |
|
ユウキ
そうですよね……っ! あの、ありがとうございますっ! プレゼントを届けてくれて、すごい魔法もかかっててっ! |
|
ユウキ
ワンピースを着たら、お母さんにありがとうを言って……あ! 私もお母さんにクリスマスプレゼント買わなきゃっ! |
|
アスカ
……ふふ、キミは忙しないね。 表情がくるくる変わって、興味深い。 |
|
ユウキ
本当に、ありがとうございましたっ! えっと……。 |
|
アスカ
ボクはアスカ。 そんなことより……往ってくるといい。キミの大切な人のもとにね。 |
|
ユウキ
はいっ! 行ってきます、アスカさんっ! |
|
(見送ってくれたアスカさんは少し寂しそうな顔をしていました)
|
|
(あの特別なプレゼントは、何だったんだろう。
彼女はどんな人なんだろう。 どうして寂しそうなのかな) |
|
(アスカさんに……もう一度、会いたいっ!)
|
|
ユウキ
そうして私は、ミウさんと同じように、霧の中を彷徨って、気づけばこの事務所の前にいたんですっ。 |
|
ユウキ
アスカさんは、あの時の私を見て、ミウちゃんと同じような印象を抱いたんだと思います。 |
|
ユウキ
興味深くて、自分とは違う存在。大切な記憶も、伝えたい想いも抱えて生きている存在。 |
|
ユウキ
アスカさんは、そんな私たちと自分は違うって、自分は虚ろだって言うけど、私は違うと思ってて……っ。 |
|
ガチャ
|
|
アスカ
思い出話は済んだかい? |
|
二人
アスカさんっ! |
|
アスカ
作戦が決まったよ。 それじゃあ、今夜にでも実行するとしようか。 |
ステージ4:夜の学園・2
ミナミ
登場 |
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---|---|---|
ミナミ
また貴方ですか…。懲りもせず、よくやって来られたものですね |
||
アスカ
一度請け負った依頼だからね。ボクにだって、プライドがあるんだ |
||
LIVE |
||
ミナミ
今日こそ、止めてみせる… |
||
WIN |
||
ミナミ
相変わらず逃げるだけ…いい加減大人しく捕まりなさい…! |
||
アスカ
(そうだ…そのままボクを追って来ればいい…屋上まで、ね) |
||
DRAW |
||
ミナミ
ちょこまかと走り回って…鬼ごっこでもする気なんですか? |
||
LOSE |
||
ミナミ
この程度で終わりですか? 剣を抜く必要もありませんでしたね |
ステージクリア
ミナミ
屋上に逃げ込んで…… 袋のねずみですね。 もう逃げ場はありませんよ。 |
|
ミナミ
それに、何度やって来ても無駄です。カナちゃんは、その子に会う気はないそうですから。 |
|
アスカ
そうみたいだね。でも、ボクにだってちっぽけなプライドはあるんだ。 |
|
アスカ
今まで、ボクはどんな依頼だって完遂してきた。 今さら、事務所の看板に傷がつくなんて、許せない。 |
|
アスカ
だったら……依頼をなかったことにした方が、まだマシだよ。 |
|
ガシッ
|
|
ミウ
えっ!? ちょっと、アスカさん!? 急にわたしの胸倉をつかむなんて、随分とヤンチャですね……!? |
|
アスカ
ああ、そうだね。 |
|
ミウ
ちょっ、なんで屋上の端に行くんですか!? わたし、落ちちゃいますよ!? |
|
ユウキ
アスカさん! 何するつもりなんですかっ!? |
|
ミウ
そうですよ! それに、カナちゃんを笑顔にするためのすっごい作戦があるって言ってたじゃないですか! |
|
ミウ
これがその作戦なんです!? まさかバンジージャンプ!? これなら会えなくても、体を張って笑いをとれるんですか! |
|
アスカ
そうだね。紐の無いバンジージャンプだけど、頑張ってみるといい。 |
|
ミウ
嘘でしょ!? |
|
アスカ
残念ながら、依頼達成率を100%のままにするには、依頼自体を無かったことにしないと……。 |
|
ミウ
そんなヤバい考え方あります!? |
|
ミナミ
…………ふふっ。 |
|
ミウ
ほら! 敵方にも笑われてるじゃないですか! やめましょう! 今すぐに! |
|
ミナミ
本当に、おかしいですね。 全部がただの茶番なんですから。 |
|
ミナミ
屋上からその子を突き落とすなんて、そんなこと、貴方にできるはずがないじゃないですか。 |
|
アスカ
そうかな? キミには、ボクの心なんてわかるはずもないのに。 |
|
ミナミ
……っ! |
|
ミウ
あの、アスカさん…… そろそろ……おろしてください……苦しいので……っ! |
|
アスカ
すまない。でも、目的は達成できそうだよ。 |
|
ナツキ
おいッ! カナ、行くんじゃない! |
|
???
ミウちゃんっ! |
|
ミウ
カナちゃん!? どうしてここに……? |
|
アスカ
ミナミなら、カナを現場近くに連れてくると思ったんだ。 きっと、不安要素ほど手元に置いておきたいタイプだから。 |
|
アスカ
それに、ミウから話を聞いた限りでは……彼女なら、友人のピンチには駆け付けずにいられないだろうと思ったよ。 |
|
アスカ
たとえ、自分に何ができるのか、会ってどうなるのかがわからなくてもね。 |
|
ミナミ
黙りなさいっ! 知ったような口を……! |
|
ナツキ
ミナミ、挑発に乗るんじゃない。 |
|
ミナミ
……すみません、ナツキさん。 |
|
──チャキ、
|
|
ミナミ
任務を変更し、速やかにカナとミウを引き離します。 |
|
──ガキィンッ
|
|
アスカ
させないよ。ボクは、彼女の想いの行く末を見届ける。 |
|
ミナミ
……隠しナイフですか。 小癪な真似をしますね。 |
|
アスカ
そういう年頃なんだ。 袖口にナイフを隠したくなるような……ね。 |
|
ユウキ
待ってくださいっ! ミナミさんは、どうしてそこまでして止めようとするんですかっ! |
|
ユウキ
今回は、ミウちゃんがただ、カナちゃんと仲直りしたいだけなのにっ! |
|
ミナミ
どうして? おめでたい頭ですね。私たち組織の存在理由を考えればわかるでしょう。 |
|
ミナミ
生者に死人の想いを伝える。 ましてや、二人を直接引き合わせるなんて、あってはいけないことです。 |
|
アスカ
……やっぱりね。 薄々は気づいていたよ。 ボクの事務所には……ほとんど死人しか辿り着けないから。 |
|
ユウキ
でも、私は生きてますっ! 生きてアスカさんのところに辿り着いたんですっ! |
|
ナツキ
……アンタは特別なんだろう。 たまにいるんだよ。想う力がとてつもなく強い人間が。 |
|
ナツキ
それこそ、生死の境など曖昧にしてしまう程度にはね。 |
|
ユウキ
そんな……それじゃあ……。 |
|
ミウ
いいんですよ。わたしは。 |
|
カナ
ミウちゃん……。 |
|
ミウ
なんとなくわかってましたし、思い出してきました! わたしはもう……この世界にいるべき人じゃないんですね。 |
|
ミウ
おかしいとは思ってたんです。 お腹は空かないし、アスカさんの事務所とここ以外、どこに行けばいいのかわからなくて。 |
|
ミウ
それでも、カナちゃんのことだけは覚えてた。だから会いに行ったんです。 |
|
ミウ
でも……ずっと夢だった留学を控えているはずなのに、カナちゃんは笑っていませんでした。 |
|
ミウ
ただ信じられないものを見るようにわたしを見て、泣きそうな顔をしただけだった……。 |
|
カナ
そうだよ……。ミウちゃんは、ずっと笑顔で、わたしに話しかけてくれてた……。 |
|
カナ
だから余計に……もう、どんな顔をすればいいのか、わかんなくなっちゃった……。 |
|
カナ
……だって、恨まれてたらどうしようって思ってた……。 わたしとの待ち合わせに急いでて、事故にあったから。 |
|
カナ
わたしのせいで…… ミウちゃんは、し…… 死んじゃったんだって……。 |
|
カナ
なのに、どうして笑っていられるの……っ!? あなたのせいだって言われた方がまだマシだったよ……っ! |
|
ミウ
嫌だよ! わたしは絶対にカナちゃんを責めたりしないっ! 死んだって笑うよっ! |
|
ミウ
もういいんだ……ううん、よくないけど。カナちゃんともっとたくさん話をして、たくさん遊びたかった。 |
|
ミウ
でも……どうしようもないんだよ……! だったらわたしは、泣くよりも笑いたい……っ! |
|
カナ
ミウちゃん…………っ! ミウちゃんは、やっぱりミウちゃんだね……。 わたしの優しい友達だ……。 |
|
カナ
わたしが歌の練習で疲れて落ち込んでた時も、笑わせようって、変なことばっかり言ってたね……。 |
|
カナ
ミウちゃんのギャグを毎回メモしてたら……えへへ、すごい枚数になったんだよ……? |
|
ミウ
あはは……カナちゃん、やっと笑ってくれた……。 |
|
ミウ
アスカさん、わたしのお願い、叶っちゃったようなものだけど……プレゼントも、贈っていいですか? |
|
アスカ
もちろん。それがキミの依頼なら。 |
|
ミナミ
させないっ! |
|
アスカ
おっと。キミの相手はボクだ。 ミウにもカナにも、手出しはさせないよ。 |
|
ユウキ
ミウちゃんからカナちゃんへのプレゼントは、こちらですっ! 今、リボンを解きますね! |
|
パアアアアッ
|
|
ミウ
──学校の遠足で、わたしが班の人とはぐれちゃった時、カナちゃんが声をかけてくれたんだよね。 |
|
ミウ
──その時、すぐにわかったよ。この子とは絶対、友達になれるって! |
|
ミウ
──カナちゃんは、わたしがどんなギャグを言っても、いつも笑ってくれたよね。 |
|
ミウ
──わたしは、その笑顔が大好きなんだよ。 |
|
ミウ
──だから、このリースを見る度に、わたしといたことを思い出して、笑ってくれたらいいなって思ったんだ。 |
|
カナ
ミウちゃん、これ……。 |
|
ミウ
えへへ、懐かしいでしょ♪ カナちゃんと出会った時に見てた景色も、ラッピングしてもらっちゃった☆ |
|
ミウ
カナちゃんも、覚えててくれたんだね……。 |
|
カナ
覚えてる……忘れられるわけないよっ! だって…… |
|
カナ
だって、あんなに楽しかったんだから! |
|
ミウ
わたしもだよ! 事故にあったことは、神様コノヤローって思ったけど…… |
|
ミウ
カナちゃんと会えて、楽しかった時のことを考えたら、恨めなくなっちゃった……。 |
|
ミウ
ねぇ、カナちゃん。 夢を叶えてね。 大好きだった歌、歌い続けてね。 |
|
ミウ
それで、辛くなった時は、わたしのプレゼントを見て、楽しかったことだけを思い出して……。 |
|
ミウ
あ、それだけじゃないや! わたしが、カナちゃんをずっと大好きで、ずっと応援してることも、覚えてて。 |
|
カナ
うんっ……! わたしとミウちゃんは、ずっと友達だよ! ずっと、ずっと、大好きだから……っ! |
|
パアアアアッ
|
|
ユウキ
ミウちゃん…… 消えちゃった……? |
|
ユウキ
寂しいけど……仲直りできたのは、よかったのかな……。 |
|
アスカ
ずっと友達……。 ずっと大好き、か……。 |
|
ユウキ
アスカさん? えっ、泣いてる……? |
|
アスカ
すまない、ユウキ……。 ボクは……少し、疲れたみたいだ……。 |
|
ユウキ
アスカさんっ! |
|
アスカ
思い出した……。 ボクの過去も、あの日の言葉も。 ……ねぇ、ミナミ。 |
|
ミナミ
……っ! |
|
ユウキ
アスカさんっ! しっかりしてくださいっ! アスカさんっ!! |
後半開始
悠貴
前半、お疲れさまでしたっ♪ |
|
|
四人
お疲れさまでした! |
飛鳥
…………。 |
|
美羽
いやー、わたし、なかなか上手くできたと思います! 賑やかしとか、素でいけましたし☆ |
|
美波
そうだね。…ふふっ、私も、美羽ちゃんに乗せられて、いい演技ができたと思う♪ |
|
美羽
ひぇっ! 調子に乗ってすみませんっ! |
|
美波
え? どうしたの? 私、何か変なこと言っちゃったかな? |
|
美羽
いえ……ちょっと、あのぞくっとするような美波さんの演技を思い出しまして……。 |
|
加奈
あははっ♪ 二人とも、すっごくいい演技だったってことだね! |
|
夏樹
加奈の言う通りだ。 それに、後半組のアタシらは気を抜いてる場合じゃないよな。 |
|
夏樹
特に主役は……。 |
|
飛鳥
…………。 |
|
悠貴
飛鳥さん? あ、もしかして、イメージトレーニングですかっ? |
|
飛鳥
……そうだね。 後半では、今まで見せたことのない表情を見せなきゃいけないから。 |
|
悠貴
大丈夫ですよっ! 助手として、私もサポートしますからっ! |
|
美波
私も、後半は会話が増えるし、一緒に頑張ろうね。 |
|
美波
でも、リハーサルの時もばっちりだったし、飛鳥ちゃんなら心配いらないって思うよ♪ |
|
美羽
小道具が欲しい時は、わたしたちに言ってください☆ |
|
加奈
目薬とかタバスコとかそばつゆとか、何でも用意するので! |
|
飛鳥
……どれもいらないかな。 |
|
夏樹
ははっ。劇中と違って、楽屋は随分と賑やかだよな。 |
|
飛鳥
やれやれ……緊張している暇もないね。 おっと、そろそろ後半戦の時間か……。 |
|
悠貴
では、座長さんから一言、お願いしますっ! |
|
飛鳥
ああ。 ガラじゃないけれど……しかたないね。 |
|
飛鳥
ボクたちは、同じ舞台に立つ共犯者だ。 各々で役の仮面を被り、演じようじゃないか。 |
|
飛鳥
虚構の世界を真実として魅せ……観客全員を、ボクたちの虜にするために。 |
ステージ5:夜更けの町・1
ナツキ
登場 |
||
---|---|---|
ナツキ
おい、ミナミ…ッ! ダメだな、こっちも動ける状況じゃない… |
||
ユウキ
今がチャンス…? でも、アスカさんを抱えて逃げ切れるかな…っ |
||
LIVE |
||
ナツキ
逃げるなら今だよ、お嬢さん |
||
WIN |
||
ナツキ
こっちも本調子じゃないんでね。互いに見逃そうじゃないか |
||
ユウキ
ありがとうございますっ! …あ、敵にお礼言っちゃったっ! |
||
DRAW |
||
ナツキ
(困ったことに…今のミナミは、あの時のアタシと同じ状況か…) |
||
LOSE |
||
ナツキ
動く気が無いな…。いいのか? そろそろ仲間を呼ぶ頃合いだ |
ナツキ(Master)
登場 |
||
---|---|---|
ナツキ
また逃げられたのはいいとして…あとはこっちの問題だな |
||
ミナミ
…………。 |
||
LIVE |
||
ナツキ
ミナミ、しっかりしろ |
||
WIN |
||
ナツキ
一旦戻るぞ。事情は…無理に聞いたりはしない。安心してくれ |
||
ミナミ
ありがとうございます…大丈夫です。もう落ち着きましたから |
||
DRAW |
||
ナツキ
心配なんだよ。冷静ぶってるけど、アンタ、本当はさ…… |
||
LOSE |
||
ナツキ
(相談しろってのも、無理か。ミナミの想いを、アタシは背負えない) |
ステージクリア
(傍観者なんて気取っていたけれど──
ボクはずっと、セカイのはみ出し者だった) |
|
(そんなボクにとって、彼女のような存在を、なんと呼べばいいのだろう)
|
|
(親友と呼ぶには遠すぎて、知人と呼ぶには近すぎた)
|
|
(それでも、少なくともあの時、ボクの一番近くにいたのは、彼女だった)
|
|
(ボクと彼女は、同じ学校に通っていた。
ボクは中等部で、彼女は高等部) |
|
(ボクは校則違反の常習犯で問題児扱いだったのに対し、彼女はトップの大学へ進学を期待される優等生だった)
|
|
ミナミ
ねぇ、何してるの? こんなところで。 |
|
………………。
|
|
ミナミ
私は貴方のこと、知ってるよ。 この前、先生に言われてたでしょ? 学校にエクステしてくるのはやめなさいって。 |
|
…………キミには関係ないだろう。
これはボクの、ささやかな抵抗なんだから。 |
|
誰もが誰かを束縛しようとする。つまらないオトナの理屈も理解らなくはないけれど……
今は理解りたくないな。 |
|
この学校は退屈……
鳥籠のようなものだ。 |
|
ミナミ
ふぅん……? よくわからないけど、たしかに、この学校は貴方には窮屈かもっ。 |
|
ミナミ
だって、そのエクステ、すっごく似合ってるもん。 なのに、外さなきゃいけないとか、嫌だよね。 |
|
………初めて言われた。
似合ってるとか、そんなこと。 |
|
ミナミ
そう? みんな同じように思ってそうだけど。 |
|
どう思っていたとしても、何も言われないよ。
彼らは、ボクを見るとすぐに目を逸らすから。 |
|
どうやら、異端者の格好は、優等生には見るに堪えないものらしい。
|
|
ミナミ
私は、そうは思わないかな。 自分なりの気持ちを込めたファッションって、けっこうしっくりくるものだよ? |
|
……不思議だね。
キミも、異端者を疎む優等生だと思っていたよ。 |
|
(それからだ。ボクが彼女と話すようになったのは)
|
|
(ミナミは、優等生であると同時に、好奇心が旺盛だった。
いつも胸を高鳴らせて、明日への期待を語る) |
|
(そんな彼女の笑顔を、ボクは珍しい物のように──
真冬の花や価値ある宝石を見るような目で、見つめていた) |
|
ミナミ
私はね、アスカちゃんといると楽しいんだよ。私には思いもよらないようなことを言うし。 |
|
ミナミ
だから、アスカちゃんには、そのままでいてほしいな♪ |
|
キミを優等生だと言ったこと、撤回するよ。
キミも異端者だ。 ボクに負けず劣らずのね。 |
|
(──けれど、別れは突然やってくる)
|
|
(みんなの優等生。それだけが彼女ではないと、ボクは知っていたはずなのに)
|
|
(あの日のボクは、教師に怒られたのか、それとも他の問題か……)
|
|
(とにかく窮屈な毎日にうんざりし、虫の居所が悪かった)
|
|
(とはいえ、それが彼女に心にもないことを言ってしまった言い訳にはならないけれど)
|
|
ミナミ?
|
|
……いない、か。
|
|
(屋上からは、友人たちに囲まれて帰るミナミの姿が見えた。彼女は、一度も屋上を見ようとしなかった)
|
|
(ボクは、彼女を責めようなんて思ってなかった)
|
|
(ただ、彼女には大勢の友人がいて。
でも、ボクはひとりで) |
|
(それだけのことなのに……
本当に、セカイのはみ出し者になったような気がしたんだ) |
|
キミがボクに話しかけてくれたのは、同情からだろう?
問題児であるボクに、善意で構っているだけだ。 |
|
ミナミ
アスカちゃん……? どうしたの? 私、何か怒らせるようなこと言っちゃった……? |
|
別に。
ああ、そうだ。善意でないなら好奇心からかな。キミはとても勉強熱心なようだから。 |
|
ミナミ
……違う、よ。私は…… ただ、アスカちゃんのことを友達だって思ってるだけ……。 |
|
ミナミ
アスカちゃんと話すのが楽しかったから…… 一緒に過ごしたかったから……。 |
|
ミナミ
ずっと大好きな友達だと思ってたから……、 一緒にいたんだよ……? |
|
(そうだ。その時、彼女はとても──)
|
|
ユウキ
アスカさんっ! よかった……目が覚めたんですね……っ! |
|
アスカ
ボクは…………。 |
|
ユウキ
屋上で倒れて、ずっと寝てたんですよっ。アスカさんが倒れた後、ミナミさんたちはどこかに行っちゃって……。 |
|
アスカ
ミナミ……そうだ、ミナミだ……。 |
|
アスカ
行かなきゃ……。 彼女に、謝りに……。 |
|
ユウキ
待ってくださいっ! 無茶ですよっ! |
|
アスカ
邪魔をしないでくれ! ボクは彼女を傷つけてしまった! |
|
アスカ
今だって、彼女はボクのせいで……っ! |
|
ユウキ
アスカさんが、何を思い出したのかはわかりません……。 |
|
ユウキ
それでも、ミナミさんと私たちは、敵対しているんですっ! |
|
ユウキ
それに、アスカさんは今、すっごく混乱していますっ! |
|
ユウキ
そんな時にミナミさんと会っても、ちゃんとお話できるとは思えません! |
|
ユウキ
いつもみたいに、作戦を練ってから行きましょう! また私を囮にしたっていいんですからっ! |
|
アスカ
うるさいっ! 放っておいてくれ! キミに、ボクの何が理解るって言うんだ! |
|
ユウキ
わかりませんっ! アスカさんのことは、まだ、何も……っ! |
|
ユウキ
でも、私はアスカさんの助手なんですっ!! |
|
ユウキ
だったら、うるさいのだって上等ですっ! |
|
ユウキ
相談してください! 話してください! 一人でどこかへ行かないでっ! |
|
ユウキ
いつも、私を連れて行ってくれたじゃないですかっ!! |
|
アスカ
…………。 すまない……キミを泣かせる気はなかったんだ……。 |
|
アスカ
……ボクは愚かだ。 また、大切な誰かを傷つけてしまうところだった……。 |
|
ユウキ
だ、大丈夫……ですっ! 私、泣いてないですからっ! そんなに子どもっぽくないですからっ! |
|
ユウキ
それより今は、アスカさんがミナミさんに何を伝えたいかを考える時ですよっ! |
|
アスカ
理解ってる……。 彼女に謝るべきなんだ。 |
|
ユウキ
えっと……何を伝えるべきかじゃなくて、何を伝えたいか、ですよ? |
|
アスカ
そんなことを言っても、思いつくことなんて何も……。 |
|
ユウキ
じゃあ贈り物とかどうですかっ? クリスマスも近いですしっ! |
|
ユウキ
人は誰しも、誰かに託したい想いがある。アスカさんが言ったことじゃないですかっ。 |
|
ユウキ
アスカさんも、きっとミナミさんに託したい想いがあって、ここにいるんだと思いますっ! |
|
ユウキ
だから、想いを贈り物に込めて、渡しましょうっ♪ |
|
アスカ
贈り物と言っても…… 今さら、何をどう言って渡せばいいのか……。 |
|
ユウキ
だから、それもまた、一緒に考えていきましょう! いつもの依頼みたいにっ! |
|
アスカ
ふふ……。言うようになったな、キミも。 |
|
ユウキ
そうですか? 私は元からこんな感じですよっ♪ |
|
アスカ
ボクは……ミナミに本当の想いを伝えたい。 |
|
アスカ
彼女が同情や好奇心でボクと話していたわけじゃないのは、ボクが一番理解ってた。 彼女と過ごした時間は…… |
|
アスカ
あの楽しい時間は、同情や好奇心のようなガラクタで創られた、砂上の楼閣なんかじゃなかった。 |
|
アスカ
……ひねくれたボクの、ちっぽけな言葉でも…… ただの自己満足に過ぎないとしても……伝えたい。 |
|
ガチャ
|
|
カナ
あの……そのお話、わたしにも協力させてもらえませんか? ミウちゃんと仲直りできたお礼として! |
ステージ6:夜更けの町・2
ユウキ
登場 |
||
---|---|---|
ユウキ
アスカさん、言ってました。記憶を失う前、何か贈ろうとしてたって |
||
カナ
ミナミさんはわたしが呼び出します! 贈り物の準備は任せました! |
||
LIVE |
||
ユウキ
どんな贈り物なのかな? |
||
WIN |
||
ユウキ
そうだ! 私、見ましたっ! 事務所の隅に、古い箱があったのを! |
||
カナ
きっとそれですっ! じゃあわたしは、他のものを調達に…! |
||
DRAW |
||
ユウキ
何かあったかなぁ…アスカさんの私物に、プレゼントっぽいもの… |
||
LOSE |
||
ユウキ
うーん…やっぱりアスカさんにもう少し記憶が戻ってからかな… |