イベント[シンデレラロード20190911] のバックアップ(No.4)


ここでは、加奈ちゃんさんが登場したイベント[ススメ!シンデレラロード:大原みちる編]を紹介します。

※加奈ちゃんさんは1話・5話のみの登場です。

イベント情報

開催期間
2019/09/11 ~ 2019/09/17

第1話


お父さん、フゴフゴ! お母さん、フゴフゴ!
あたし、決めました!


フゴフゴフゴ……ゴクンッ。
アイドルになれば、もっともっとたくさんのお客さんにいっぺんに笑顔を届けられるって、あたし、聞いたので!

事務所

フゴフゴ、フゴフゴフゴ……。
あ~、あったかくていい気持ち。
こんな日にぴったりなパンは……そう、クロワッサン!


サクサク、ふんわり……。にじみ出る甘さが、まるで陽射しのように、体にじんわり沁みとおります……!
んん~~~っ! ……おや? むこうにいるのは……。


……むうぅぅ~~……。


さ、さくらちゃんっ……。
スタッフさんたちもきっと、悪気があったわけじゃないよっ。
ねっ?


さくらちゃん! 加奈ちゃん!


あっ……みちるちゃん!
あのっ、どうしよう……。また、さくらちゃんが……。


わたしだってオトナな衣装、着てみたいって言ったのにぃ……!
むぅぅぅぅ~~~~っ……!


さくらちゃん、さくらちゃん!
ええと、この袋の中に……ゴソゴソ……。
はい! どうぞ!


はわっ!?
わぁ~~~! かわいいピンクのパンですぅ!
わぁい! いただきまぁす!


季節のフルーツパンです!
さくらちゃんの大好きな、桃も入ってますよ!
加奈ちゃんには……ゴソゴソ……これをどうぞ!


わっ……いちご大福……パン……!?


黒豆もたっぷりです!
豆には、暗記力アップの効能もあるんですよ!


そ、そうなんだ……!
よ、よしっ……!
あ、あの、わたしまでいただいちゃっていいのかな?


もちろん! みんなで食べましょう!
だって……フゴフゴ……こんなに素敵な、パン日和ですよ!


ありがとう!
みちるちゃんのパン袋って、なんだか、魔法の袋みたい。
さくらちゃんも、もうニコニコだね♪


やっぱり、みんなで食べるパンは美味しいですね!
フゴフゴ……フゴフゴ……。


っと、そういえば!
あたし、事務所に呼ばれてたんでした!
こうしてはいられません、ふたりとも、それでは!


じゃあね~!


…………。パン日和、かぁ……。
うんっ。陽射しがポカポカして、なんだかとっても、ふんわり気分♪

翌日

えっ!?
パン作りのお仕事……ですか!?



幼稚園で、パン作りの先生になり、パンパーティーを開く仕事だと告げた……


フムフム……フムフゴ……。
一緒に出演するのは……キャシーちゃんに……。


……穂乃香ちゃん……!
おふたりの、ふんわりいい匂いのするコックさん姿。
想像が、パン生地みたいに膨らみます……!



どういうパンを作るかは、また改めて、みんなで打ち合わせをしよう。


パンの先生役、あたしにパーンとまかせてください!
なにせ、アイドルにスカウトしてもらう前は、「おおはらベーカリー」の看板娘……。


……じゃなかったけど、ずっとお店のお手伝いをしてましたから! あははーっ!

近くの公園

フゴフゴ……
キャシーちゃん、穂乃香ちゃんにぴったりのパンは何かな~。
先生役って、忙しいな! あははー! ……おや?


近所の幼稚園の子どもたち……?
わぁ、みんな、お手々がもちもちしてる! もちもち……♪


もちもち。ちょうどよかったですね。いまどきの子どもたちがどんな会話をしているのか、耳を傾けてみましょう。
市場調査というやつですね。どれどれ……じーっ……。


パン、きらーい。


ガーーーーン!!

第2話


うち、朝はいっつも、パンばっかりでさー……。


うちもー。
パン、パン、パン……。
もう飽きちゃったー!


……パンに……飽きる……。
その発想はなかった……!
さすが、いまどきの子どもたち。斬新な思考をしている……!


しかしこれは、棚からコッペパン。いいお話が聞けました。
幼稚園の子どもたちにも、美味しく食べてもらうには……
今までにないような、ものすごいパンを作らなければ!


お仕事が始まるまで、まだ日にちはある……。
これから毎日、研究……研パンです!

街角

……すごいパン……すごいパン……ぶつぶつ……フゴフゴ……。


あら、あれは……みちるちゃん?


おっ、ちょうどいいとこで会ったっすね。
これから、また一緒にボウリングでも……どうっすか?


蓮実さん! 沙紀さん!


えっ!?
わっ!?


なるほど……すごいパン……。
そうっすね。デザインから攻めてみるのはどうっすか?
小さい子が喜ぶような、おもしろい形とか。


子どもたちは意外と、素朴な味を好むのでは……?
そのままのパンでいて……なんて♪


なるほど。納得の納豆パン!
飲み込みました!
さっそく実践です!


……みちるちゃん、なんだか大変そうですね。


さっきの話が、なにかの助けになればいいっすけど……。

数日後

……すごいパン……すごいパン……ぶつぶつ……フゴフゴ……。
フゴフゴフゴフゴフゴフゴ……。


……美味しい……。さっきのも美味しかったし……。
う~ん……困った……。
決定的な違いは、いったいどこにあるのかな……?


そこでボクは言ってあげたんです。
ボクのカワイさは万国共通。ホットかれてもケーキです、と!


ふふっ。みちるちゃんの口ぐせ、じつは気に入ってたんですね。


ン……? ウワサをすれば誰かさんよ。
ぼんやり歩いてるわね。
クックック、ここはいきなり声をかけてビックリさせて……。


麗奈ちゃん! 肇ちゃん! 幸子ちゃん!


ひゃわっ!?
ゲホ、ゲホゲホ……。
な、なによみちる、ビックリさせないで!


あのですね……かくかくしかじかフゴフゴ……。


幼稚園児といえば、カワイイものに興味があるはずです。
ならば答えはひとつです!
ボクの顔をモチーフに……うわっぷ!?


隠し水鉄砲、命中! アーッハッハッハ!
……とまぁこんなふうに、イタズラの仕掛けがあるパンなんてどう?
小さい子どもはね、こういう派手なやつに喜ぶのよ。


ええと……。そうですね、たとえば、パンを載せるお皿にもこだわってみてはどうでしょうか。
味にも彩りが加わるのでは。


なるほどデニッシュ……!
咀嚼しました!
さっそく実験です……!


あっ、みちる、ちょっと……!
チッ、あわてんぼうね。
せっかく、いろいろ思い出話もできると思ったのに……。

食堂

……じゃあ、みなさんも、みちるちゃんからご相談を?


ヘンよね。
パンのことなら、あのパン馬鹿が、誰よりいちばん知ってるくせに。
なんてったって、パン馬鹿なんだし。


心配ですよね。


し、心配? あ、アタシはただ……
いつもと違うことされると、イタズラのリズムが狂うからっていうか……。


…………。


どうしましたか、沙紀さん?
……はっ。もしや、ふとした拍子に、ボクに見とれて……!?
これは失礼しました! やはり、ボクのカワイさは罪……!


…………。
……闇のパン……。


な、なんですかっ!?
ふ、ふとした拍子に、怖い話ですかっ!?


ああ、いや、悪かったっす。その……
モノづくりに限らず、自分の道を進むことには……光と闇があるもんで。


光も闇も、変わらずに、そのまま受けとめる。
自分自身を見つめて、自問自答しながら、それでも進んでいく……そういうもんだと思うっす。


そうですね。みちるちゃんにとってはきっと……。
何かに揺れているのなら、それは突然の……初めての季節……。

街角

うーん……フゴフゴ……フゴフゴフゴフゴ……。


…………。
……パンが……わからない……。


……このパンは……昔ながらのレトロパン……。
こっちは……穴のあいたパン……。
…………穴のあいた……はっ!


そうだ! こんなときは、あの人に聞いてみよう!
同じ小麦粉を愛する、永遠のライバルにしてパートナー……
きっときっと、味わい深い答えをくれるはずです……!

第3話


いっただっきまーす!


ジャム、マーマレード、カスタードクリーム、そして……ピーナツバター!


プレーン、メープル、シナモン、そして……イチゴチョコ!


やったぁ♪


フゴフゴフゴ……やっぱりパンは美味しいです!
…………。


もぐもぐ……やっぱりドーナツは美味しいよね!
……あれ? みちるちゃん、どうしたの?
もう手が止まって……。


あっ、そうだ!
相談があるって言ってたよね。
みちるちゃんがあたしに相談って、なに?


……パンが……わからないんです……。


……え?


法子ちゃん。
パンって、何でしょう? ……何だと思いますか?


え~っと……。
食べ物、だよね?
もちもちして、それから……とっても美味しいよ!


そうですよね! パンは食べ物です。
美味しくて、幸せで、人生に欠かせない……。


でも、あたし、最近、思うんです。
それだけじゃ何か、たりないような気がして……。
法子ちゃんにとって、ドーナツって何でしょう?


あたしにとってのドーナツ……?
うん、それはね。


夢だよ!


……ゆめ?


みんながドーナツを食べれば、美味しい気持ち、楽しい気持ち、キラキラした気持ち。
おんなじ気持ちで、世界がまーるくつながるの!


ほら、こうやって……この穴から、覗いてみれば……。
えへへ♪ みんなの笑顔が見えるよ。


あたしね、ドーナツになりたい!
アイドルはね、あたしにとってのドーナツなんだ!


……………………。
……………………。


…………みちるちゃん?


せかい……まーるく……
……ドーナツに……なりたい……? ……?? ……???


え、ええと……ご、ごめんねっ。
あたしね、ドーナツの話になると、ついつい夢中になっちゃって……。


ゆめ……せかい……。
ひとは……どこからきて……どこへいくのか……。
……フゴフゴ……フラフラ……フゴフゴ……。


み……みちるちゃんっ!?



そして、打ち合わせの日がやってきた……

事務所

おはようございます、プロデューサーさん。
打ち合わせが始まるのは、夕方からですけど……
ふふっ、みちるちゃんのことですから、もう待ちきれないのでは?


ハロー、プロデューサー!
みちる来てる?
……えっ? てぇへんだっ、昨日から連絡つかないってっ?

心配だ


大丈夫だ


そうだね。
あたしもいろいろ声かけて、探してみるよ。
みちるー! ドコニ・イルノー!?


はい。いつでも元気いっぱいな、みちるちゃんですから。
夕方までには、きっと……。
私も、信じています。

河川敷

……行くパンの流れは同じ味にして、しかも、もとのパンにあらず。
……なーんて! あははー!


…………。フゴフゴ……。
これも……これも……。このパンも……。
なんだか……ぜんぶ同じ味です……。


…………あたしは……。


みんなで、パンを食べたい。
幼稚園の……子どもたちと……みんなで一緒に……。


ふんわり、お日さまが暖かくって、こんがり、いい匂いがして、笑い声がたくさん聞こえて──。


みんなで「いただきまーす」って、声をあわせるんです。
ただ、それだけのことじゃ、ダメなんでしょうか?
あたしって……ヘンなんでしょうか?



ふええぇぇえぇぇん……。


フゴフゴ……フゴフゴフゴ……。


……フゴ?


ふえぇぇん……
……ぐしゅ……ぐしゅっ……。


おや、くるみちゃんじゃないですか。
……どうして泣いているんです?


だって……
みちるしゃんが、泣かないから……。


だから、くるみが泣くんでしゅっ!
ふええぇぇえぇんっ……。


…………?
よくわかりませんが、くるみちゃん、涙を拭きましょう!
ほら! パンならここにいっぱいありますよ!


……ありがとうございましゅ。いただきましゅ。
ぐしゅっ……あ、ポケットティッシュは、たくさんありゅから、大丈夫でしゅ。


…………。
みちるしゃん。
みちるしゃんの焼いたパン、美味しいでしゅ。


はい、ふたりで一緒に食べると美味しいです。


みちるしゃんのパンは、本当に美味しいんでしゅ。
みちるしゃんのお願いが、こもってるからでしゅ。
食べた人に笑ってほしいって、いっぱいこもってるからでしゅ。


だから……みちるしゃんには、自信を持ってほしいんでしゅ。
だって、いつも、くるみをこんなに助けてくれてるもんっ……!


……くるみちゃん。
…………ありがとうございます。嬉しいです。


でも……あたしはまだまだ未熟パン。
パンはどこからきて、どこへいくのか……。
わからないことばかりで、発酵できてないなーって。あははー!


うう……うわあああぁぁああぁぁぁぁんっっ!!
ふええぇぇえぇぇえぇぇんんっ!!


く、くるみちゃんっ?


……くるみは……みちるしゃんを、助けたいのにぃ……
くるみの言葉じゃ、くるみの言葉じゃっ、だめなんでしゅ……!
くるみは……泣くことしかできないでしゅ……!


うわあぁぁあぁぁあぁん……
ふえぇぇええぇぇええぇぇぇんっ……!!


……あっ、ほら!
声が聞こえる!
みんな! こっちだよ!


…………ふぇ?
……法子しゃんに…………光しゃん?


フッ。その名は違うよ。
轟け、赤きジャムの芳香! 我が名は……スイーツレッド!



地球の胃袋を守る、5人の戦士!
見参! スイーツファイブ!!